人と企業を育てることは、社会を変える、原動力になる。

私たちには、年齢、性別、障がい、妊娠、国籍等を理由に、大切な事をあきらめなくてはいけない人をゼロにしたいという夢があります。

ユニバーサルデザイン・バリアフリー・ダイバーシティ対応の「当たり前」を「新しい発想」で進化させていく魅力の一つは、「してあげる・してもらう」の関係性を「自分でできる」に変えていく力があることだと思います。

これは、子育て、介護といった生活場面だけでなく、製品改善、サービス改善、職場改善、経営改革、そして、社会にとって、大きなインパクトがあります。

そのために私たちジツケンがやるべき事は、社会を変えていく原動力となる人を育てること、そして、継続発展を支える仕組みを整備すること。

私たちが目指すのは、例えば魚を捕れない人に魚を与えるのではなく、また魚の捕り方を教える人でもない。さらには魚の捕り方を指導できる人を育てるのでもなく、今求められているのは「その人たちにもできる魚の捕り方を、編み出せる人」を育て、活躍するための仕組みを提供することです。

実利用者研究機構 理事長

横尾良笑

横尾良笑(よこお よしえ)

10歳からのイギリス単身留学、カナダの高校卒業を経て、17歳で慶応義塾大学に入学、21歳で卒業。ユニバーサルデザイン教育の第一人者。持ち前の問題解決能力を活かし、UD業界の抱える複雑な問題の根本的な解決を図るべく、独自の研究活動やプロジェクト実績を基盤に、2000年に実利用者研究機構の前身の日本ユニバーサルデザイン研究機構を創設、2003年に特定非営利活動法人として内閣府からの認証を受け法人化。同時に理事長に就任。

中学校1・2・3年生向け教科書『新編 新しい技術・家庭(家庭分野)』に掲載。※以下のデジタル教科書の内容をご覧いただけます。

横尾良笑(よこお よしえ)横尾良笑

テレビ番組「ビジネス・ブレークスルー組織人事ライブ」/横尾理事長のインタビュー

ビジネスブレークスルー

〜以下、Business Breakthrough Ch 組織人事ライブより 引用〜

大学で全盲の教授に出会ったことがきっかけで、バリアフリーやユニバーサルデザインの研究を始めた横尾氏は、まず現場に足を運び、多くの人に話を聞き、国会図書館で483冊の関連図書を読むなど、徹底した調査と分析で問題を解決に導いてきた。その圧倒的な問題解決能力の根源に迫るほか、ユニバーサルデザインの意義について事例を交えながら分かりやすく解説する。

「ユニバーサルデザイン(UD)」とは、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、誰にとっても使いやすい設計のことである。混同されがちな「バリアフリー」は、個々の問題に対する障壁を取り除くという意味合いが強く、似て非なる概念だ。例えば、バリアフリーの考えから、道路に視覚障害者用の点字ブロックを設置すると、一方で高齢者のつまずきや車いすの事故が増えることもあり、この両立は非常に難しい。十分な知識がないまま設計を進めたり、効果検証をせずに放置することが最も危険である。

通信販売の保険は、社員が立ち会わないため申込書の誤記入が多く、訂正作業に多大な労力と費用が掛かるという。人間は直感的に「この記入欄は重要か」を判断しているため、その認知をデザインすると分かりやすくなる。横尾氏が申込書を設計すると誤記入は15%も減少、企業のコストは軽減され、消費者はきちんと内容を理解して加入でき、コールセンターも本来の回答に集中できるようになった。分かりやすさ・使いやすさは結果でなく手段であり、誰もがメリットを享受できる状態を目指すことがUDの本質だといえよう。

横尾氏は東日本大震災で、最初の地震から二日後に気仙沼の避難所へ赴き、地域のトップを集めてUDの観点から救護活動を指導した。命の危険がある人から助けるという方針のもと、体温保持や衛生管理、心臓や呼吸器に障害を持つ人の機器確保など、どの順番で何が必要かを伝え、担当者を決めた。一番大事なのは水と食料ではなく、緊急発電機や病人の搬送に必要なガソリンだという。気持ちや優しさだけでは、どうにもならないこともあるが、正しい知識と技術があれば解決できることは広がるはずだ。
障害は環境がつくり出したものであり、もし車いすでどこにでも行けるなら、車いす利用者は障害者ではない。自分たちがその環境をつくっていないか、責任を持って商品を開発・提供しているか、今後の企業はUDの視点から問題解決能力を高める必要があるだろう。

引用元:Business Breakthrough Ch 組織人事ライブ

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